民事再生(個人再生)は持ち家を処分しなくてもいい?気になる効果と手続き・条件について

   2018/04/09

そもそも民事再生(個人再生)とは?

民事再生とは、債務整理とよばれる手続きの1つです。債務整理をすれば、借金を返済できなくなったら、法的な手続きを行うことで一部または全ての借金を返済しなくてもよくなります。

一般的には、企業が行う場合に民事再生、個人が行う場合には、個人再生または個人民事再生と言われます。ここでは、個人も含めて「民事再生」と言わせていただきます。

債務整理には3つの種類があり、お金を借りた相手との話し合いや、裁判所の介入によって手続きが行われます。それぞれ、どのような方向けでどんな手続きなのかをざっくりと説明します。

債務整理その①-任意整理

裁判所を通さずに、弁護士によって貸金業者(お金の貸し手)と交渉し、必要最低限の返済に済ませる手続きです。

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債務整理その②-民事再生

任意整理で整理することが不可能で、自己破産を避けたい方に最適な手続きです。持ち家も手放さずに済みます。

債務整理その③-自己破産

任意整理、民事再生をしても借金を完済する見通しが立たない場合に適用されます。借金を返済することが不可能であることを裁判所に認めてもらい、借金をゼロにする手続きです。

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上記の通り、どれぐらい減額をすれば借金を返済できるのかなどの条件によって、最適な債務整理の手続きが変わってきます。例えば債務整理をしたことが周囲に知られたくなければ任意整理を選択したり、財産を手放しても借金ゼロにしたいと考えるのであれば自己破産を選択するといった感じです。

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民事再生は借金の減額幅も大きく、持ち家を処分しなくてもよい

中でも、「民事再生」は任意整理よりも借金の減額幅が大きく、自己破産のように財産を処分する必要はありません。なんと、上限5,000万円までの借金が対象となり、約80%程度の減額が認められます。また、浪費やギャンブルなどによる借金でも手続きを行うことが出来ます。ただし、住宅ローンについては減額されることはあまりありませんのでご注意ください。

それでも、高額であればあるほど効果が大きいことに間違いはありません。持ち家を手放すことなく、他の財産の強制処分になるわけではないので、100万円超の借金を減らしたいといった場合には民事整理は最適な債務整理ではないでしょうか。

民事再生には「個人」「法人」の両方に適用される

民事再生は、個人だけでなく、法人にも適用されます。「民事再生法」の第13章(第221条~第238条)にて、「小規模個人再生及び給与所得者等再生に関する特則」というように触れられています。

「小規模個人再生」とは、将来にわたって安定的に収入がある個人の債務者で、借金が5,000万円を超えない場合にできる手続のことをいいます。
「給与所得者等再生」とは、借金額を基準にするのではなく、債務者が支払える金額(給与)を基準に返済金額が決められることになります。具体的には、収入から税金等を差し引くことで返済に充てられる最大限の金額(可処分所得)を算出し、その2年分が返済金額となる手続きです。

小規模個人再生では、(債権者が複数人居た場合には)債権者の半数以上の同意が必要となりますが、給与所得者等再生では借り手である本人の意見を聞く手続きとなるため、再生案が認められやすいといったメリットがあります。

このように、民事再生は少し複雑な手続きとなるため、どちらを選択したほうがいいのかは弁護士と相談をして決めるのが良さそうです。

民事再生後の住宅ローンはどうなる?「住宅ローン特則」を見よう

民事再生法では、「住宅資金貸付債権に関する特則」というが規定されております。住宅資金貸付債権というのは、住宅ローンと考えていただければいいですので、「住宅ローン関する特則」といった内容となります。どんな特則なのでしょうか。

民事再生を申請する方に持ち家(マイホーム)がある場合、従来どおり元本の返済と利息の支払いを続けていれば、引き続き居住できるという内容です。つまり、民事再生を申請しても、引き続き元本の返済と利息を払えれば居住できるという内容です。もちろん、持ち家が無い場合(賃貸や実家暮らし)には、差し押さえは発生しません。

住宅ローン特則が適用されないこともあるので注意

ただし、住宅ローン特則が適用されない場合もあります。
・住宅ローン以外の「抵当権」が設定されていないこと
・保証会社が「代位弁済」をしている
※代位弁済から半年以内に民事再生の手続きの申請をすれば遡って適用されます

上記の場合には適用されませんので、ご自身の持ち家がどうなっているのか、事前に確認が必要でしょう。

手続きの前にまずは弁護士に相談をするのが賢明

民事再生の手続きは、個人でも行えなくはないです。しかしながら、お金の貸し手との交渉や裁判所とのやり取りなど、複雑かつ膨大な時間を要してしまうでしょう。それに、提出書類の不備や、再生計画の内容が十分ではないと判断されると、裁判所から却下されてしまう可能性もあります。そうなると、自己破産しか選択肢がなくなり、マイホームを失ってしまったり、経済的な制限が課せられる可能性もあります。やはり、普段の業務としても経験豊富な弁護士に依頼するのが安心でしょう。

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気になる民事再生手続きの費用は?

弁護士に依頼する場合、以下のような費用が想定されます。
・着手金(30~50万円程度)
・裁判所への申立手数料や個人再生委員への報酬 など
・その他、実費(出張料や裁判所に出頭する日当など)や受任に至るまでの相談料が発生する場合があります
※あくまでも目安であり、弁護士事務所によって異なります

だいたいの弁護士事務所では、相談時にトータル費用を見積もってくれるでしょう。

民事再生手続きに必要な書類は?

弁護士経由でも個人で手続きをしても、裁判所に申立するために書類を提出する必要があります。何を準備しなければいけないのかは、その人によって変わりますが、だいたい以下のとおりです。

【提出を求められる書類】
・「戸籍謄本」「住民票」などの世帯を確認できる書類
・「給与明細書」「課税証明書」「源泉徴収票」などの所得を証明できる書類
・預金通帳(コピー)
・「登記簿謄本」 ※持ち家などの不動産を所有している場合
・「保険証書」「解約返戻金の証明書」など ※生命保険に加入している場合
・「車検証」「査定書」 ※車を所有している場合

民事再生が認められるまでの流れと所要期間

弁護士に相談後、受任となった後の手続きです。

【主な手続きの流れ】
弁護士が裁判所に申し立ての書類を提出(この時点には現在抱えている借金の返済を一旦しなくてもいいようになります)

再生委員による面接実施(借り手である本人も立ち会い)※面接がない場合もあります

弁護士、裁判所、およびお金の貸し手(債権者)の間で、民事再生手続きの決定に向けてやり取り(併せて、再生計画案を弁護士が作成)

(小規模個人再生の場合)
お金の貸し手(債権者)の異議が無く、裁判所でOKの判断か下れば再生計画案が確定

再生計画案に基づいた返済の開始

以上が民事再生手続きの一連の流れになります。弁護士が受任してからだいたい3~6ヶ月ぐらいはかかります。

民事再生が終結するまでの期間

再生計画案に基づいた返済が3年以内に返済が完了すれば終結します。3年以内の完済が難しいようであれば、2年未満の範囲が認められます(それでもという場合には状況に応じて延長も考えられます)。これによって毎月の返済額が減額され、負担が軽減されていきます。

民事再生は返済途中に「取消」もある

不正などが発覚した場合には、民事再生の取り消しもあり得ます。例えば財産があるにもかかわらずないと申告したりなど、再生計画の成立に不正があった場合などです。当然ですが、民事再生が取り消されてしまうと、減額を認めてもらえた借金が復活し、一括返済を要求される可能性もあります。

却下(民事再生手続きの廃止)について

民事再生手続きの最中に以下のような事態となった場合は、「廃止」と言って手続きそのものが却下されます。
・財産を隠すなどの不正が発覚した
・債権者の同意が得られなかった(小規模個人再生のみ)
・期限までに再生計画案が作成されなかった

当然、借金はそのまま残ってしまいます。

代償としてブラックリストは仕方がない!

債務整理を行うと、国内のいくつかの信用情報機関にその情報が登録され、記録が5~10年ほど残ります。また、民事再生だけでなく任意整理、自己破産についても同様です。これが世間一般で「ブラックリスト」と言われるものです。

登録されている期間は、クレジットカードの新規発行や金融機関での借り入れができません。借金返済を大幅に楽にする手続きをしたのですから、その代償として割り切りましょう。

民事再生のデメリット

民事再生は、自己破産と違って財産を処分する必要がありません。マイホームだけでなくマイカーや生命保険、預貯金なども残すことができます。しかしながら、以下のデメリットがあることは押さえておきましょう。

・100万円以下の借金は減額されない
・原則、住宅ローンの返済額の減額は認められない
・持ち家を除いて、返済金額を超える金額相当の財産は保有できない

借金の金額が100万円を超えた場合に適用されるので、100万円以下でも返済できないというのであれば、民事再生ではなく任意整理のほうがいいでしょう。また、持ち家を残すので、住宅ローンの返済は当然続きます。

最後に

住宅ローンを除く100万円超5,000万円以下の借金を約80%は減額してくれる民事再生。借金を大幅に減額してマイホームは手放したくないというのであれば、民事再生の手続きをするのが効果的でしょう。手続きの最適な進め方については、ご自身でやるよりも専門家に意見を仰いで進めていくのがいいでしょう。借金をなくし、人生をリスタートできるように願っております。

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