奨学金が返せない場合には減額制度を使える!?対処方法を解説!

   2018/01/22

「奨学金」の仕組みを正しく理解していますか?

誰しも一度は「奨学金」という言葉を耳にした事があると思います。その中でも一般的(有名)な奨学金は、「日本学生支援機構」の奨学金制度ではないでしょうか。こちらの制度は、国が実施している貸与型の奨学金となり、学生が必要とする学費などのお金を貸与し、本人が卒業後に返済する仕組みです。

奨学金制度が設けられている教育機関

○高等専門学校(高専)
○短期大学(短大)
○専修学校
○大学
○大学院

奨学金の種類は2種類に分けられる

【利息なし】第一種奨学金

対象条件

・学業で優れた成績を残している

・家庭の収入事情により、修学が困難である

【利息あり】 第二種奨学金

対象条件

・学業で優れた成績を残している

・家庭の収入事情により、修学に支障がある(第一種よりは収入は高め)

※奨学金の利率は3%/年を上限

2種類の奨学金、貸与金額はそれぞれどのぐらい?

日本学生支援機構のWEBサイトにて公開されている奨学金の貸与金額となります。

第一種奨学金

自宅通学か否かで、多少の差があります。

国公立・自宅通学

月額30,000円または45,000円

国公立・自宅外通学

月額30,000円または51,000円 ※自宅通学の月額も選択可

私立・自宅通学

月額30,000円または54,000円

私立・自宅外通学

月額30,000円または64,000円 ※自宅通学の月額も選択可

第二種奨学金

月額30,000円、50,000円、80,000円、100,000円または120,000円

※私大医学部などの一部学部では上記金額よりも増額することが可能

※金額については本人が選択することが可能です。さらに、在学中の採用だった場合は、申込み年度の4月に遡り、受け取ることも可能になっています。

把握できている?学生時代の「奨学金」について

私たちに身近な存在である奨学金ですが、奨学金とはいえ「借金」にあたります。社会人になり返済する人が多数ですが、事前に知識をつけて返済計画などを立てておきましょう。

実際、4年間大学とした場合、奨学金はいくらになっているでしょうか。合計金額を算出してみたいと思います。

第一種奨学金

(定額)
・30,000円×12カ月×4年間=1,440,000円
(国公立:自宅外通勤者)
・51,000円×12カ月×4年間=2,448,000円
(国公立:自宅通勤者)
・45,000円×12カ月×4年間=2,160,000円
(私立:自宅外通勤者)
・64,000円×12カ月×4年間=3,072,000円
(私立:自宅通勤者)
・54,000円×12カ月×4年間=2,592,000円

第二種奨学金

(月額3万円の場合)
・30,000円×12カ月×4年間=1,440,000円
(月額5万円の場合)
・50,000円×12カ月×4年間=2,400,000円
(月額8万円の場合)
・80,000円×12カ月×4年間=3,840,000円
(月額10万円の場合)
・100,000円×12カ月×4年間=4,800,000円
(月額12万円の場合)
・120,000円×12カ月×4年間=5,760,000円

私大文系でも4年分借りたら500万円超!最近急増中の奨学金を返せない社会人

大体の人は社会人になってから奨学金を返していくことになりますが、返済が出来ない人が増えているのです。4年間の積み重ねも大きいですし、第二奨学金については利息もつくので返すスピードが遅いとその分金額も増えていく一方です。

では、どれくらいの割合の人が奨学金返済に遅延が発生しているのか見てみましょう。
<平成25年度末の状況>

○返還を要する者の債権(期日到来分のみ。):3,424,000人
○返還している者:3,090,000人
○1日以上の延滞債権:334,000人
○3ヶ月以上の延滞債権:187,000人

出典:日本学生支援機構

滞納率でいうと結構な割合になることが分かりますね。

・1日以上の滞納率:334,000人÷3,090,000人=10.8%

・3ヶ月以上の滞納率:334,000人÷3,090,000人=6%

返済が延滞している人はどんな人が多い?

返還している人と返還が出来ていない人で職業などに違いがあるのか調べてみました。

■学生(留学を含む)

・延滞者:30人/0.7%
・無延滞者:31人/1.2%

■自営/家業
・延滞者:273人/6.7%
・無延滞者:63人/2.5%

■常勤社(職)員
・延滞者:1,475人/36.2%
・無延滞者:1,708人/67.9%

■任期付常勤社(職)員 (※1)
・延滞者:343人/8.4%
・無延滞者:141人/5.6%

■非常勤社(職)員 (※2)
・延滞者:598人/14.7%
・無延滞者:187人/7.4%

■派遣社員
・延滞者:269人/6.6%
・無延滞者:74人/2.9%

■専業主婦(夫)
・延滞者:311人/7.6%
・無延滞者:153人/6.1%

■無職・失業中/休職中
・延滞者:642人/15.8%
・無延滞者:134人/5.3%

■その他
・延滞者:132人/3.2%
・無延滞者:23人0.9%

合計
・延滞者:4,073人/100%
・無延滞者:2,514人/100%

出典:www.jasso.go.jp

上記のデータから収入が低いと思われる非常勤や派遣社員などが比率が高くなっていることが分かりますね。収入の事情による延滞の可能性が高いということがいえると思います。

その他の延滞理由を調べてみました

先程は職業別に調査を行いましたが、違う観点からも理由を見てみましょう。
日本学生機構が実際に延滞者に理由をヒアリングをしたアンケート結果があります。

<延滞が始まった理由(きっかけ):その割合>(延滞者のみ回答)

■忙しかった(金融機関に行くことができなかったなど):8.2%
■返還を忘れていた、口座残高をまちがえていたなどミス:7.3%
■家計の収入が減った:72.9%
■家計の支出が増えた:34.5%
■入院、事故、災害等にあったため:18.1%
■返還するものだとは思っていなかった:2.7%
■その他:28.3%
出典:www.jasso.go.jp

やはりこちらのアンケートも「収入が減った」が72.9%とかなり多くの割合を占めていますね。雇用形態なども近年は正規雇用が減り、非正規雇用が増えているのも原因のひとつと考えます。その次に多い延滞理由が「家計の支出が増えた」というものになりますが、突然の出費などがあり返済の優先順位を落とさざるを得ない状況になったと推測できますね。

そして驚くべきは、「返還するものだと思っていなかった」という回答です。割合としては少ないですが、奨学金とは「借金」であり、給付金のようなものではないとしっかりと認識しておくべきです。

今も継続して延滞している人へのアンケート

<延滞が継続している理由は?:人数/割合>

※理由は、1人2つまで回答のため、合計は100%にならない。

■本人の低所得:2,049人/51.1%
■本人が失業中(無職):605人/15.1%
■本人が学生(留学を含む):30人/0.7%
■本人が病気療養中:212人/5.3%
■本人の借入金の返済:796人/19.8%
■親の経済困難(本人が親への経済援助をしているため):758人/18.9%
■親の経済困難(親が返還する約束):710人/17.7%
■配偶者の経済困難:218人/5.4%
■家族の病気療養:230人/5.7%
■忙しい(金融機関にいけない等):139人/3.5%
■奨学金の延滞額の増加:1,201人/ 29.9%
■返還するものだとは思っていない:19人/0.5%
■その他:262人/6.5%

<回答者数 4,013人>
出典:www.jasso.go.jp

やはり「低所得」による延滞が一番多いです。まずは生活することが重要ですが、「借金」を背負っているわけですから計画的に切り詰めていく必要がありそうです。そうなると、結果的に「奨学金の遅延額の増加」に繋がり、どんどん利息分を払うようになってきてしまいます。忙しいなどの回答もありますが、今はネットバンキング等もありますのでそういったツールを使うのも効果的かと思います。

奨学金を返せないとどうなる?

まずは電話や郵送で催促される

返済が延滞していると電話か文章で催促の連絡がいきます。本人だけはなく、保証人や連帯保証人になっている人へも連絡がいくはずです。この連絡は自宅のみではなく勤務先に連絡が行くことも想定されます。ドラマなどで見たことがある「取立て」の行為が実施されるのです。

延滞の事態を放っておくと法的措置の可能性も

延滞が続く場合は、法的措置によって訴訟化する可能性も十分にありえます。

詳細は下記の通りです。

<人的保証の場合>

(1)支払督促予告・・・延滞し、督促しても返還しない場合は、返還期限が到来していない分を含め、返還未済額の全部、利息および延滞金の一括返還を請求すると共に、支払督促を申し立てることの予告をします。
(2)支払督促申立・・・支払督促予告で支払いを求めた返還期限を過ぎてもなお返還しない場合は、裁判所に支払督促の申立をします。
(3)仮執行宣言付支払督促申立・・・支払督促の申立をしてもなお返還しない場合は、裁判所に仮執行宣言付支払督促の申立をします。
(4)強制執行・・・仮執行宣言付支払督促の申立をしてもなお返還しない場合は、強制執行の手続きをとります。

≪注意≫
支払督促以降の手続きにかかった費用は、返還者の負担になります。
返還金の充当順位は、督促費用があるときは、まず督促費用に充当し、次に延滞金、利息(第二種奨学金のみ)、最後に元金の順になります。

<機関保証の場合>

(1)一括返還請求・・・返還期限が到来していない分を含め、返還未済額の全額、利息および延滞金を返還していただきます。
(2)代位弁済請求・・・本機構から保証機関((公財)日本国際教育支援協会)に対し、返還未済額の全額、利息および延滞金について請求を行います。
(3)保証機関からの請求・督促・・・代位弁済がなされた場合、(公財)日本国際教育支援協会から、代位弁済額の一括請求を行います。
(4)強制執行・・・返済に応じない場合は、(公財)日本国際教育支援協会が強制執行にいたるまでの法的措置を執り、給与や財産を差し押さえます。
出典:www.jasso.go.jp

(4)の強制執行になると、銀行口座や家なども差し押さえの対象になります。こうなってくるともちろん勤務先や家族にバレて多大な迷惑がかかってしまうことでしょう。

ブラックリストへの登録も

3ヶ月以上返済を滞納していると、ブラックリストへ登録される可能性があります。国内の信用情報機関にその情報が登録され、記録が5年ほど残ってしまいます。登録されている間は、「クレジットカードの新規発行」「金融機関での借り入れ」ができなくなる恐れが高いです。
もし、「インパクトがあまり無い」と思う人がいましたら、考えを改めたほうがいいでしょう。「出来ない」ということの精神的ダメージは大きいのです。何も方法がないのですから。

クレジットカードなども作れないのでいざというときに現金払いのみになり、分割なども使用できなくります。

やはり、払えない!そんなときの対処法はあるの?

やむをえない理由でどうしても払えないというときもあります。そんなとき、対処法があるのか調べてみました。

減額返還制度

この制度は、毎月の返還額の減額が認められるものです。毎月の返済額が減れば、返すまでに多少足が長くなってしまいますが、無理なく返還を続けるための制度になっています。

第二種奨学金で「月額12万円」だった場合

奨学金の合計:576万円(卒業後、利息を年率3%)で計算してみると、下記の通りです。

・返済金額:32,297円
・支払い回数:240回(20年)
・返済総額:7,751,445円

毎月の返済額が、32,297円(20年)となるわけですよね。かなり大きな返済額です。必ず給与から引かれるということもあり、返済が苦しくなることもあると思います。そのような方のために、減額返還「適用期間」に応じた分の返還期間を「延長」するということが可能です。あくまでも月の返済の減額であり、返済額の合計が減額されるわけではないのでご注意ください。

<平成26年4月から減額返還制度が変わりました。>
1.基準の緩和
「経済困難」事由の収入基準額(給与所得者:収入300万円/給与所得者以外:所得200万円)を超えるが、定められた「特別な支出」を控除して収入基準額以下となる場合の控除を新設・変更します。
(1)本人の被扶養者について1人につき38万円を収入・所得金額から控除して審査します(新設)。
(従来の「親等への生活費補助の控除」は48万円から38万円に変更になります。)
(2)減額返還適用者は一律25万円を収入・所得金額から控除して審査します(新設)。

※本人の医療費及び本人が扶養している者の医療費に係る特別な支出の控除は従来どおりです。

2.減額返還制度の申し込みに係る提出書類の簡素化
平成26年12月以降の貸与終了者(在学猶予修了者も含む)については、卒業・退学等の翌年6月までに減額返還を願い出る場合、卒業、退学後の初回申請時に限り、証明書類の提出が不要となります。詳細は、下記のページをご確認ください。
出典:www.jasso.go.jp

 

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